独がカザフに水素外交事務所を設置へ

ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は10月31日から11月2日にかけてカザフスタンとウズベキスタンを訪問した。大国ロシアと中国のはざまで難しいかじ取りを余儀なくされている中央アジア諸国に独・欧州が「誠実で公正なオファー」を行い、これらの国が自律的に行動できるようにサポート。同地と欧州との結びつきを強化していく。ベアボック氏は「彼ら(中央アジア諸国)の将来がロシアの前庭における窮屈な拘束服と、中国への依存との間の選択にとどまらないことが私にとって重要だ」と述べた。

カザフスタンでは同国に水素外交事務所を設置することを明らかにした。同国は風力と太陽光に恵まれており、政府はこれら再生可能エネルギーでグリーン水素を生産、輸出することを目指している。ドイツはグリーン水素を世界の多様な地域から輸入する方針のため、調達先の1つにカザフスタンを組み込む意向だ。同国でのグリーン水素生産に必要な技術を提供するほか、人材交流も進める。

ドイツの中央アジア貿易に占めるカザフスタンの割合は85%とダントツで大きい。同国はロシアのウクライナ進攻以降、ロシアと距離を置くようになっており、欧州は積極的に外交攻勢をかけている。欧州連合(EU)のシャルル・ミシェル欧州理事会議長(EU大統領)は10月下旬に訪問。ベアボック氏は今回、「カザフスタンが(ウクライナに侵攻した)ロシア側につかなかった」ことを称賛した。

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