独工作機械工業会(VDW)が24日発表した独業界の7-9月期の新規受注高は前年同月を9%上回った。調達・製造コストの上昇分を顧客に転嫁したことが背景にあり、国内受注が3%、国外が同9%の幅で伸びた。物価を加味した実質ベースでは受注水準が横ばいにとどまっている。
1-9月期の新規受注高は前年同期を26%上回った。上半期の増加率が極めて高かったことが大きい。国内が25%、国外が26%の幅で拡大した。
同期の業界売上高は10%増えた。切削加工機械が17%増と全体をけん引。成形機械は6%落ち込んだ。成型機械では比較対象の2021年同期の水準が極めて高かったことから、今年はその反動が出ている。
10-12月期は新規受注が大幅に冷え込むと予想している。エネルギー危機の直撃を受ける独・欧州が足を強く引っ張ると見込まれるためだ。アジアとアメリカ大陸では増加すると予想している。受注残高が多いことから、生産高は増加する見通し。10月の工場稼働率は平均90%強と高い水準に達した。
22年全体の新規受注高については、過去最高となった18年を7%下回るとの見方を示した。国外受注は過去最高を更新するものの、国内が20%減少し大きな足かせとなる見通しだ。