メルク―遺伝子治療ウイルスベクター分野で日本企業を支援―

ライフサイエンス大手の独メルクはこのほど、神戸大学発のバイオスタートアップ企業シンプロジェンと遺伝子治療用ウイルスベクターの開発・製造に向け協議することで基本合意したと発表した。ウイルスベクター製造ソリューションを提供し、シンプロジェンの開発・生産を支援する。

シンプロジェンは2017年の設立。独自の超長鎖DNA合成技術を活用し、高品質かつ低コストな遺伝子治療用ウイルスベクターの設計・開発・分析サービスを提供している。DNA合成、プラスミドDNA大量調製、ウイルスベクター作製、プロセス開発、特性解析・品質試験からGMP(適正製造規範)準拠製造施設への技術移管支援まで、顧客のニーズに応じて幅広く対応できる。

メルクは独自のアデノ随伴ウイルス生産プラットホームを提供することで、シンプロジェンが治験薬製造までに要する時間を短縮し、プロセス開発の時間とコストを節約できるようにする。また、米カリフォルニア州カールズバッドにある傘下の医薬品試験開発製造受託機関「ミリポアCTDMO」を通して遺伝子治療用ウイルスベクターの大規模商業生産をサポートする。

シンプロジェンの山本一彦社長は「今回締結したメルクとの基本合意書により、遺伝子治療用ウイルスベクターのCMC開発からGMP製造までを総合的に支援する体制を構築することができます。将来的には、当社の独自技術を海外企業へライセンスする等のグローバル展開も視野に入れています」と抱負を語った。

上部へスクロール