ドイツ機械工業連盟(VDMA)は13日、独業界の2022年の実質生産成長率を従来予測の1%に据え置いた。1~10月は前年同期を実質0.4%下回ったものの、生産の足かせとなっているサプライチェーンのひっ迫がやや緩和していることが最新の会員企業アンケート調査で分かったことから、最終四半期にラストスパートすると予想している。原材料不足に加えて高インフレ、ウクライナ戦争、保護主義の強まりなどの問題があるなかで同国の機械業界は堅調を保っているというのがVDMAの見方だ。来年は実質2.0%減となるものの、大きな痛手ではないとしている。
名目ベースでは今年の生産高が前年比9.2%増の2,380億ユーロと大幅に伸びる。物価が高騰していることから実質の伸び率が小さい。来年は2,430億ユーロとなり、名目では2.1%増える。
VDMAは新型コロナウイルスの世界的な流行が経済に大きな影響をもたらすようになったことを受けて、2020年3月中旬に会員アンケート調査を開始した。その後、継続的に調査を行っている。今回は625社を対象に2日に実施した。
それによると、サプライチェーンの支障が「大きい」ないし「深刻」との回答は計74%と高水準に達したものの、9月の前回(81%)から7ポイント低下。直近のピークである6月(87%)からは13ポイント下がった。
最も不足している原材料・部品は「エレクトロニクス/電子部品」で、不足度が「大きい」「深刻」との回答が計81%に上った。前回を5ポイント下回っているものの、他の分野に比べ水準がダントツで高い。2位は「金属/金属製品」で44%から29%へと低下。3位の「プラスチック/ゴム」は35%から27%、4位の「化学品」は17%から10%へと下がった。
業界では人材不足も深刻化しており、不足度が「大きい」ないし「深刻」との回答は前回の計78%から81%へと拡大した。今後3カ月の見通しについては不足度が「強まる」が38%となり、「弱まる」は3%にとどまった。