22年の乗用車新車登録、3年ぶりに増加 コロナ禍前の19年比では26%減に

ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した2022年の乗用車新車登録台数は前年比1.1%増の265万1,357台となり、3年ぶりに拡大した。3月から7月までは前年同月割れが続いたものの8月に増加へと転換。9月以降は大幅増となったことから、通年でもわずかに拡大した。コロナ禍直前の19年(361万台)に比べると約26%少ない。

新車登録を動力源別でみると、電気自動車(BEV)は32.2%増47万559台と大幅に拡大。プラグインハイブリッド車(PHV)は購入補助金打ち切り前の駆け込み需要効果で11.3%増の36万2,093台へと伸びた。PHVを含むハイブリッド車(HV)全体では9.6%増えて82万7,321台となった。内燃機関車は需要の減少が続いており、ガソリン車は11.2%減の86万3,445台、ディーゼル車は9.9%減の47万2,274台へと落ち込んだ。

シェアをみると、BEVは17.7%となり、前年(13.6%)を4.1ポイント上回った。PHVも12.4%から13.7%へと伸びた。HVは31.2%(前年28.8%)で、BEVとHVの合計は48.9%に達した。一方、ガソリン車は37.1%から32.6%、ディーゼル車は20.0%から17.8%へと低下した。

走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は平均109.6グラムで、前年(118.7グラム)から7.7%減少した。純粋な内燃機関車が大きく減少し、BEVなどの環境対応車が大幅に増えたことが反映されている。

新車登録を部門別でみると、シェアが最も大きかったのはSUVで29.3%に上った。前年は25.4%、前々年は21.3%となっており、急拡大が続いている。コンパクトカーは15.9%で、2位を保ったものの、前年(17.5%)を下回り、SUVとの差は一段と拡大した。3位は小型車で12.4%(前年14.3%)だった。4位はオフロード車で11.3%、5位は中型車で10.2%となっている。

増加幅が最も大きかったのは大型バンで、26.9%の伸びを記録した。

マイカーとしての登録は4.9%増、社用車は同0.9%減だった。シェアはそれぞれ35.9%(前年34.6%)、64.1%(65.4%)となっている。

カラー別ではグレーが30.6%(29.8%)で最も多かった。これにブラックが26.4%(24.7%)、ホワイトが20.5%(21.5%)で続いた。

伸び率が最も大きかったブランドは販売車種を電動車に絞り込んでいるポールスターで、166.4%増の7,008台を記録。前年に引き続き3ケタ増となった。2位はDS(91.2%増の3,955台)で、3位にはテスラ(76.2%増の6万9,963台)が続いた。

ドイツ車ではアウディが17.3%増の21万3,410台と2ケタ増を記録。メルセデス(8.3%増の24万3,999台)、フォード(3.9%増の13万1,256台)、ポルシェ(1.3%増の2万9,315台)も前年を上回った。VW(1.8%減の48万967台)、BMW(5.7%減の20万9,722台)、ミニ(6.5%減の4万142台)、オペル(10.7%減の14万4,588台)、スマート(49.3%減の1万2,190台)は減少した。

日本車はトヨタが9.0%増の7万8,366台に拡大した以外はすべて減少した。各ブランドの実績は日産が0.7%減の2万6,069台、ホンダが2.5%減の7,709台、三菱が6.8%減の3万4,430台、マツダが8.1%減の3万5,008台、レクサスが11.9%減の2,746台、スバルが20.3%減の3,725台、スズキが43.1%減の1万5,583台となっている。

日本車以外の輸入車ではダチア(49.7%増の6万390台)、ジープ(27.3%増の1万7,184台)、アルファロメオ(22.3%増の3,657台)、起亜(15.6%増の7万6,139台)、ランドローバー(4.2%増の1万2,148台)、セアト(2.7%増の11万1,646台)が増加。現代(1.5%減の10万5,074台)、シュコダ(3.9%減の14万3,928台)、フィアット(6.1%減の7万7,771台)、シトロエン(14.0%減の3万6,687台)、プジョー(14.1%減の4万5,220台)、ボルボ(16.1%減の3万6,605台)、ルノー(24.6%減の7万9,861台)、ジャガー(25.0%減の3,200台)は減少した。

増減率は示されていないものの、上海汽車系のMGロエベは1万5,684台、浙江吉利とボルボの合弁リンク・アンド・コーは6,626台に上った。

12月の乗用車新車登録台数は31万4,318台で、前年同月を38.1%上回った。増加は5カ月連続。

一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した22年の国内乗用車生産台数は前年比11%増の343万1,600台へと拡大した。比較対象の21年は水準が極めて低かったことが大きい。19年に比べると26%少ない。輸出台数は261万2,800台で、前年を10%上回った。12月は生産台数が前年同月比2%増の25万3,700台、輸出台数が同1%増の20万2,500台だった。

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