露ルクオイル、南東欧2カ国の事業売却を検討

ロシアの民間石油ガス最大手ルクオイルがルーマニアとモルドバ事業の売却を検討している。ニュースサイト『バルカンインサイト』が5日報じたもので、両国で展開するガソリンスタンドチェーンと石油貯蔵施設、ルーマニアの風力発電所、およびプロイェシュティにある製油所が売却対象に挙がっている。

ロシアの石油会社に対しては昨年12月5日、欧州連合(EU)域外国向けの原油に上限価格を設定する制裁措置の適用が開始されており、ルクオイルの事業活動にも影響が及んでいる。情報筋によると、売却対象事業の買い手には英・オランダ系石油大手ロイヤル・ダッチ・シェルのほか、「ロムペトロル」ブランドでガソリンスタンドを展開するカザフスタン国営エネルギー企業カズムナイガス(KMG)が含まれる。このうちシェルはウクライナ戦争の開始から3カ月後となる5月、ロシア資産をルクオイルに売却している

ルクオイルはルーマニアでペトロテル・ルクオイル製油所を操業するほか、ガソリンスタンドを315店舗運営し、約3,000人の雇用を抱える。国内の小売燃料市場で第3位。同国事業の純利益は2021年に前年比7%増の1億6,000万レイ(約3,200万ユーロ)に拡大した。

モルドバでは店舗数105店のガソリンスタンドチェーン最大手で、小売燃料市場の約20%を占めるほか、同国のガソリン輸入の約33.5%、ディーゼル輸入の約40%を処理している。

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