ドイツ連邦統計局が10日発表した2022年のロシアからの輸入高は前年比6.5%増の353億ユーロに拡大した。数量ベースでは41.5%減と大幅に縮小したものの、主な輸入品であるエネルギーの価格が高騰したことから輸入が拡大した。輸出高は対露制裁の影響で45.2%減の146億ユーロに後退しており、貿易赤字は前年(65億ユーロ)の3倍強の207億ユーロに急増。過去最大を記録した。
最大の輸入品目は原油・天然ガスで、185億ユーロに上った。前年を5.1%下回っている(数量ベースでは47.4%減)輸入額を四半期単位でみると第1四半期は72億ユーロに上ったものの、第2四半期は58億ユーロ、第3四半期は37億ユーロ、第4四半期は18億ユーロと縮小していった。ロシアが天然ガスの輸出を縮小・停止したことが大きい。
輸入額2位は石油製品で100.9%増の55億ユーロと2倍強に拡大した。数量ベースでは2.9%増と伸び率が小さい。
3位は金属で0.1%増の45億ユーロ。数量ベースでは46.4%落ち込んだ。
ロシア向けの主要な品目では機械が51.6%減の28億ユーロ、化学品が43.3%減の17億ユーロと激減した。一方、制裁の対象とならなかった医薬品は価格が上昇したこともあり17.6%増の31億ユーロに拡大。最大の輸出品目となった。
同国を除く独立国家共同体(CIS)からの輸入は71.0%増の96億ユーロと大幅に伸びた。ロシア産エネルギーの輸入減を他のCIS加盟国からの輸入で部分的に相殺したためで、これらの国からの原油・天然ガス輸入額は93.1%増の78億ユーロに拡大した。カザフスタンは61億ユーロ(81.1%増)とその大部分を占めている。