化学大手の独エボニックは2月27日、リチウムイオン電池材料フュームド酸化アルミニウムの工場を四日市の拠点に建設すると発表した。同社がフュームド酸化アルミニウムをアジアで生産するのは初めて。電動車向け次世代電池の需要が高い日本、中国、韓国などに安定供給する考えだ。
今夏に着工し、2025年からAEROXIDEという商品名のフュームド酸化アルミニウムの生産を開始する。投資額は1,000万(ユーロ)のケタ台の半ばで、一部を政府補助金で賄う。
当該事業の担当者は「わが社の目的は、リチウムイオン電池セクターの顧客が改善された性能と向上した安全性にアクセスできるようにすることだ」と指摘。電池セパレーターの薄膜塗装に用いられるAEROXIDEの強みとして、◇電池のエネルギー密度を高め航続距離を延ばす◇安全性を高める◇充電速度を高める◇電池寿命を延ばす――を挙げた。
エボニックは四日市の拠点を、三菱マテリアルとの合弁を通して50年以上前から運営している。