2月のユーロ圏インフレ率8.5%、4カ月連続で縮小

EU統計局ユーロスタットが2日に発表したユーロ圏の2月のインフレ率(速報値)は前年同月比8.5%となり、前月の8.6%から0.1ポイント縮小した。インフレ率の鈍化は4カ月連続。ただ、エネルギー以外は前月を上回っており、物価上昇圧力は依然として強い。欧州中央銀行(ECB)が利上げを継続するのは確実だ。(表参照)

インフレ率の鈍化は、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の高騰が一服したため。2月のエネルギーの上昇率は13.7%で、前月の18.9%から大幅に縮小した。一方、工業製品は6.8%、サービスは4.8%となり、それぞれ前月から0.1ポイント、0.4ポイントの幅で拡大。ECBが金融政策決定で重視する基礎インフレ率(価格変動が激しいエネルギー、食品・アルコール・たばこを除いたインフレ率)は前月を0.3ポイント上回る5.6%となった。

ECBは2月2日に主要政策金利の0.5ポイント引き上げを決めた際、3月にも同水準の利上げを行うことを言明していた。2日に公表された同理事会の議事録によると、ECB内ではユーロ圏で労働市場はひっ迫し、賃上げが加速していることもあってインフレ率の鈍化が予想より緩やかで、過度な物価高が長期化するとの懸念が広がっている。市場では5月にも0.5ポイントの利上げが実施されるとの見方が有力だ。

主要国の同月のインフレ率はドイツが9.3%、フランスが7.2%、イタリアが9.9%、スペインが6.1%。イタリアを除いて加速した。

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