トヨタがスロベニア南部のコチェービエ市で行っていた無料送迎サービス事業
「ToyotaGo」の中止を地元自治体が決めた。地元負担が100%の同事業は費用がか
さむため継続が困難と判断した。トヨタは今後、国内の他の地域でサービス提供を
継続するという。ニュースサイト『bneインテリニュース』が21日に伝えた。
トヨタは高齢者や障碍者など交通弱者の移動手段を確保するため、昨年4月に同地
でToyotaGoを開始した。コチェービエ市のプレビリッチ市長は同事業について「お
年寄りだけでなく、(自前の車を持たない)若年層や子供に使わせたい保護者、
日々の移動に使う人々にアプローチするという当初の目標は達成された」と評価し
つつ、「スケールメリットの無さと人口動態、それに集落の形態」のために乗客1
人当たりのコストは都市部の数十倍に上ると指摘。国の補助金なしにサービスを提
供することは不可能だったと述べた。同市は声明で、トヨタのサービスは住人の人
気が高く、事業終了の決定は簡単なものではなかったとしている。
トヨタ・スロベニアのグレゴール・マウコ社長は、「コチェービエ市での事業を通
じ、新しいモビリティの知見や現場での貴重な経験を積むことができた。同地での
ToyotaGoは終了するが、今後の他地域でのサービス提供に向けた基盤は作られた」
と述べ、手ごたえを強調した。