ドイツ銀行―1-3月期利益が10年ぶりの高水準に―

独銀最大手のドイツ銀行が4月27日発表した2023年1-3月期(第1四半期)決算の税引き前利益は前年同期比12%増の18億5,200万ユーロとなり、10年ぶりの高水準に達した。金利上昇に伴う収入増が大きい。純利益は9%増えて11億5,800万ユーロとなった。

全体をけん引したのは法人向け部門で、税引き前利益は3倍の8億2,200万ユーロに達した。リテール部門は貸倒引当金の積み増しが響いて29%減の2億8,000万ユーロに後退した。ただ、金利上昇は同部門にも追い風になっているという。投資銀行部門は前年同期が好調だったこともあり、42%減の8億6,100万ユーロに後退。資産運用部門も44%減の1億1,500万ユーロと振るわなかった。

同行全体の貸倒引当金は3億7,200万ユーロで、27%膨らんだ。狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は3月末時点で13.6%となり、前年同日を0.8ポイント上回った。

決算発表では25年までのコスト削減幅を従来目標の年20億ユーロから25億ユーロに拡大する方針も明らかにした。管理職の削減や新規採用の抑制、住宅金融事業のスリム化などを通して実現する。クリスティアン・ゼーヴィング頭取はメディアの質問に、コスト削減強化策は銀行不安を背景にドイツ銀の株価が3月に急落したこととは無関係と回答。欧州でマーケットリーダーになるという長期目標を達成するためには収益力強化路線を加速しなければならないと述べた。

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