自動車部品大手の独ボッシュは4月26日、米半導体メーカーのTSIセミコンダクターを買収すると発表した。米国に同社初の半導体製造拠点を確保し、半導体生産のグローバル化を推し進めるとともに、需要が急増するSiC(炭化ケイ素)半導体の生産能力を拡大する。年内の買収手続き完了を見込んでいる。
TSIはカリフォルニア州ローズビルで、特定の機器や用途向けに必要な機能を組み合わせて設計される集積回路(IC)であるASICを主に200ミリシリコンウエハーを用いて生産している。用途は自動車、通信機器、エネルギー、ライフサイエンス産業向けと幅広い。従業員数は250人。
ボッシュはTSIを買収・統合するとともに、ローズビル工場を改修し、2026年から200ミリウエハーベースのSiC半導体を生産する。投資額は買収費用を含めて15億ドル強。米半導体法に基づく補助金と地元カリフォルニア州の助成を受けられれば投資額を上乗せする。
ボッシュは半導体をこれまで、独南部のロイトリンゲンと東部のドレスデンで生産してきた。SiC半導体はすでにロイトリンゲン工場で生産している。自動車の電動化を背景に北米でもSiC半導体の需要が大幅に増えることから、同社は今回の投資に踏み切った。