3月の製造業新規受注11%減少、コロナ禍初期以来の下げ幅に

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日発表した3月の製造業新規受注指数(2015年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月比10.7%減の95.5(暫定値)となり、コロナ禍初期の20年4月以来の大幅下落を記録した。指数は20年7月(95.0)以来の低い水準だ。大型受注を除いたベースでも下げ幅は7.7%と大きい。経済省は主要な景況感指標を踏まえ、昨年秋からの景気回復傾向は続いているとの見方を示したものの、エコノミストに間からは先行き懸念が出ている。

新規受注を地域別でみると、ユーロ圏外が14.8%減、ユーロ圏(ドイツを除く)が10.8%減と特に大きく落ち込んだ。国内は6.8%減だった。

部門別では投資財が14.1%減となり、足を強く引っ張った。前月は6.7%増、前々月は7.2%増と大きく伸びていた。3月に激減した最大の理由は、「その他の輸送機器(航空機や船舶、鉄道車両)」が47.4%減少したためだ。前月は大型受注の効果で55.0%増えており、その反動が出た格好。投資財の地域別の減少幅はユーロ圏外で18.4%、ユーロ圏で14.8%に達した。

中間財は7.5%減となり、2カ月ぶりに悪化した。国内が7.1%、ユーロ圏が6.7%、ユーロ圏外が8.9%の幅で落ち込んだ。

消費財は1.2%増となり、2カ月連続で改善した。国内が4.9%増えたためで、ユーロ圏とユーロ圏外はともに落ち込んだ。

主要業界では自動車・自動車部品が12.2%減、金属製造が7.8%減、機械が5.9%減と振るわなかった。製薬は5.8%増、金属製品は2.0%増だった。

コメルツ銀行のチーフエコノミストはdpa通信に、世界的な金利引き上げが独製造業の輸出の大きなリスク要因になっているとの見方を示した。

2月の製造業新規受注は当初の前月比4.8%増から同4.5%増へと下方修正された。

3月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を2.9%下回った。

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