独化学大手BASFの天然ガス・石油子会社ヴィンタースハル・デーエーアーは5日、年コストを2億ユーロ圧縮する方針を発表した。採掘量の約50%を占めるロシア事業からの撤退を受け、組織を縮小する必要が出てきた。これに伴い従業員(2,000人強)のおよそ25%に当たる500人を整理する意向だ。取締役も4人から3人に減らす。
同社は1月、ロシア事業からの全面撤退方針を打ち出した。現地合弁会社の所有権を事実上、はく奪されたことを受けた措置。これに伴い2022年10-12月期(第4四半期)に減損処理などの費用53億ユーロを計上した。
今回打ち出した人員整理では7-9月期に引当金2億2,500万ユーロを計上する。
同社はヴィンタースハルとデーエーアーが2019年に合併して設立された経緯があるため、カッセルとハンブルクに本社がある。今回の組織再編に伴い本社をカッセルに集約することが決まった。ハンブルク拠点は閉鎖しないものの、従業員100人がカッセルに異動する。
今後は将来性の高い水素事業と、工場などから排出された二酸化炭素(CO2)を貯留場まで輸送する事業を強化する意向だ。