独鉄鋼業界団体シュタールが21日に発表した8月の粗鋼生産高は、前年同月比1.0%減の284万4,000トンへと落ち込んだ。減少は3カ月連続。高炉鋼が1.0%減の213万7,000トン、電炉鋼が1.1%減の70万7,000トンとともに後退した。銑鉄は1.2%増の196万7,000トン、熱間圧延鋼材は5.7%増の242万7,000トンだった。
1~8月の粗鋼生産高は2,432万9,000トンで、前年同期を4.2%下回った。高炉鋼は0.6%減の1,751万6,000トン、電炉鋼は12.4%減の681万3,000トンで、銑鉄は0.1%減の1,616万2,000トン、熱間圧延鋼材は4.6%減の2,119万4,000トンとなっている。
ケルスティンマリア・リッペル専務理事は、電力価格の高騰を受けて二酸化炭素(CO2)の排出量が少ない電炉の分野で生産が18カ月連続で落ち込んでいることを指摘。電炉で生産を行うのは経営規模の小さい中堅企業が多いことも強調したうえで、十分な量の再生可能エネルギー電力を供給できる体制が国内で整うまでは電力コスト負担が軽減される必要があるとして、政府に速やか対策実施を呼びかけた。