フィンランド、露ヤンデックスの配車データ転送禁止を解除

フィンランドのデータ保護当局は26日、ロシアIT大手ヤンデックスが配車サービス
「ヤンゴ」の顧客データをロシアに転送し処理することへの禁止措置を解除したと
発表した。ロシア治安当局による個人データ取り扱いに対する懸念が払しょくされ
たためとしている。
フィンランドは8月、ロシアで9月初旬から施行される法改正により、ロシア連邦保
安庁(FSB)が配車サービスの利用データにアクセスできるようになると判断。個
人情報に対する深刻なリスクとの認識を示し、同様の懸念を抱くノルウェーと足並
みをそろえる形で9月1日から11月末までの暫定措置としてデータ転送を禁止した。
フィンランド当局は禁止解除の理由として、ロシアの改正法はタクシーサービスに
は適用されないことが判明したためだと説明。「ヤンゴは当分の間、フィンランド
で事業を行うことが認められる」としたうえで、ノルウェーおよびヤンデックスの
提携企業が拠点を置くオランダの当局と協力してデータ転送の監視を行うことを明
らかにした。
ヤンデックスはかねてより、データは欧州連合(EU)の一般データ保護規則
(GDPR)に準拠して扱っているほか、ヤンゴの国際的な配車事業はロシア当局の管
轄外だと説明していた。 ヤンゴはフィンランドやノルウェーを含む14カ国で展開
していた。そのうちバルト三国のエストニア、リトアニア、ラトビアは4月、安全
保障上のリスクがあるとして利用を禁止した。

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