市場調査大手GfKとニュルンベルク市場決定研究所(NIM)が28日に共同発表したドイツ消費者信頼感指数の12月向け予測値は11月の確定値(-28.3ポイント)を0.5ポイント上回るマイナス27.8ポイントに上昇した。改善は4カ月ぶり。貯蓄性向を示す11月の指数(12月向け予測値の算出基準の1つ)が8.5ポイントから5.3ポイントに低下したことが大きい。ただ、消費者信頼感の水準は依然として極めて低く、調査担当者は、本格回復の兆しはないと明言した。
所得の見通しに関する11月の指数(同)はマイナス16.7ポイントとなり、前年を1.4ポイント下回った。消費者が価格の変化に敏感な食料品の値上がりが反映されている。10月のインフレ率は前年同期比で3.8%となり、前月の同4.5%から大きく低下したものの、欧州中央銀行(ECB)が適正水準とする約2%を依然として大幅に上回っており、正常化にはほど遠い。
高額商品の購入意欲に関する11月の指数(同)は1.3ポイント増のマイナス15.0ポイントと改善した。長年の平均はゼロであることから、水準自体はこれまで同様、極めて低い。景気の見通しに関する11月の指数(同)は0.1ポイント増のマイナス2.3ポイントだった。
アンケートでNIMが消費者に支出抑制の理由を尋ねたところ、高インフレという回答は3分の1強に上った。地政学リスクも3分の1弱と多い。調査担当者はこれを踏まえ、消費の本格回復には物価の安定と、ウクライナやパレスチナの情勢改善が必要だとの認識を示した。