11月のインフレ率3.2%に低下、EU基準値はECB目標が目前に

ドイツ連邦統計局が29日に発表した11月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比3.2%増となり、上げ幅は前月を0.6ポイント下回った。インフレ率は2021年6月(2.4%)以来の低水準。比較対象の22年11月は上昇率が大きく、そのベース効果で物価の伸びが鈍化した。

インフレ率を強く押し下げたのはエネルギーで、4.5%低下した。前年同月を下回るのは2カ月連続。食料品も上げ幅が前月の6.1%から5.5%に縮小した。エネルギーと食料品を除いたコアのインフレ率は3.8%で、前月から0.5ポイント低下した。

物価の構成比重が50%強に上るサービスの上げ幅は3.4%となり、前月を0.5ポイント下回った。

消費者物価は前月比では0.4%低下した。

欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比で2.3%となり、前月の3.0%から大きく低下した。欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%があと一歩のところまで近づいている。前月比はマイナス0.7%だった。

12月は前年同月比のインフレ率が上昇に転じると見込まれている。比較対象の22年12月はエネルギー価格高騰対策で一般世帯のガス・地域熱料金を国がすべて負担しており、今年12月はその反動が出るためだ。来年1月も、付加価値税の軽減税率を飲食店に適用する時限措置が失効することから、上昇が予想される。

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