ドイツ連邦陸運局(KBA)が5日に発表した11月の乗用車新車登録台数は前年同月比5.7%減の24万5,701台に縮小した。減少は2カ月ぶり。比較対象の2022年11月は電気自動車(BEV)の補助金縮小とプラグインハイブリッド車(PHV)の補助金廃止を年末に控え駆け込み需要が発生していたことから、今年11月はその反動が出た格好だ。コロナ禍前の19年同月比では17.9%縮小した。
1~11月は260万2,726台で、前年同期を11.4%上回った。19年同期比では21.7%減少している。
11月の新車登録を動力源別でみると、BEVは前年同月比22.5%減の4万4,942台へと後退した。PHVは59.3%減の1万8,124台、PHVを含むハイブリッド車(HV)は11.0%減の7万8,587台。純粋な内燃機関車はガソリン車が12.5%増の8万1,734台、ディーゼル車が1.0%減の3万9,470台だった。
シェアをみると、BEVは前年同月の22.3%から18.3%に縮小。PHVは17.1%から7.4%に急低下した。BEVとPHVの合計のシェアは前年同月の39.4%から25.7%へと下がっている。内燃機関車はガソリン車が27.9%から33.3%、ディーゼル車が15.3%から16.1%に拡大した。
走行1キロメートル当たりの新車の二酸化炭素(CO2)排出量は前年同月比15.1%増の111.2グラムに拡大した。BEVとPHVのシェア低下と内燃機関車のシェア拡大が反映されている。
シェアが最も大きい部門はこれまで同様SUVで29.2%に上った。2位はコンパクトカーで17.2%、3位は小型車で12.6%、4位はオフロード車で12.0%、5位は中型車で10.8%だった。
伸び率が最も大きいブランドはGWM(長城汽車)で、3,450.0%増の426台を記録した。これにロータス(142.9%増の34台)が続いた。
ドイツ車はBMW(15.8%増の2万1,981台)、ミニ(9.1%増の4,040台)、VW(1.0%増の4万7,279台)が増加した。そのほかはすべて減少。オペルは1.8%減の1万2,571台、アウディは2.0%減の2万1,603台、スマートは7.0%減の1,339台、メルセデスは11.4%減の2万4,446台、ポルシェは17.5%減の2,331台、MANは18.3%減の67台、フォードは37.3%減の8,500台に落ち込んだ。
日本車ではスバル(24.8%増の423台)とマツダ(21.0%増の4,039台)が2ケタ台の伸びを確保し、日産(8.4%増の2,744台)も前年同月を上回った。そのほかのブランドはホンダが4.4%減の539台、スズキが8.7%減の1,884台、三菱が11.9%減の2,515台、トヨタが30.2%減の5,017台、レクサスが45.7%減の182台へと落ち込んだ。
日本車以外の主な輸入ブランド(シェア1%以上)をみると、シトロエン(46.0%増の3,322台)、シュコダ(41.1%増の1万5,836台)、ボルボ(22.2%増の5,382台)、セアト(21.2%増の1万1,237台)は増加。プジョー(3.8%減の3,985台)、起亜(10.9%減の6,139台)、現代(11.4%減の8,939台)、ダチア(22.5%減の5,407台)、ルノー(24.1%減の5,571台)、フィアット(37.0%減の5,035台)、テスラ(54.5%減の4,923台)、は減少した。
GWM以外の中国車はMGロエベが2.2%増の1,673台、NIO(蔚来汽車)が47.4%減の50台、BYD(比亜迪汽車)が350台、AIWAYS(愛馳)が0台だった。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した11月の乗用車国内生産台数は40万2,800台となり、前年同月を2%上回った。輸出台数も5%増の29万9,600台と拡大した。1~11月は生産台数が前年同期比20%増の385万2,500台、輸出台数が19%増の289万9,600台だった。