ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日発表した10月の製造業新規受注指数(2015年=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで95.3(暫定値)となり、前月を3.7%下回った。受注減は3カ月ぶり。比較対象の9月は大型受注が多く水準が押し上げられており、その反動で下落幅が膨らんだ。大型受注を除いたベースでは0.7%増加した。経済省は企業景況感が底を打ったものの水準が低いことを踏まえ、製造業の景気の持続的な回復は来年になるとの見方を示した。
新規受注を地域別でみると、国外が7.6%減と足を強く引っ張った。ユーロ圏(ドイツを除く)とユーロ圏外がそれぞれ7.6%、7.4%落ち込んだ。国内は2.4%増えた。
部門別では投資財が6.0%減と大きく縮小した。ユーロ圏とユーロ圏外がそれぞれ11.9%、9.3%減少したことが響いた。
中間財は1.4%後退した。ユーロ圏(4.5%減)とユーロ圏外(5.0%減)が振るわなかった。
消費財2.4%伸びた。ユーロ圏が8.8%増えて全体をけん引した。
分野別では構成比重の大きい機械が13.5%減り大きな足かせとなった。比較対象の9月は大型受注の効果で9.8%増えており、その反動で減少幅が膨らんだ。
このほか、自動車・自動車部品が1.0%減、化学品が0.7%減、金属製品が6.1%減、電気装置が4.2%減と振るわなかった。衣料品は43.5%増、その他の輸送機器(航空機、船舶、鉄道車両など)は20.2%増と大幅に増えている。
9月の製造業新規受注は当初の前月比0.2%増から同0.7%増へと上方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、8〜10月は前期(5〜7月)比で4.6%減少した。
10月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を0.5%下回った。9月については1.6%減から1.4%減に上方修正された。