UBEが独社の高機能ウレタン樹脂事業を取得

UBEは3日、独化学大手ランクセスからウレタンシステムズ事業を取得することで合
意したと発表した。スペシャリティ事業を拡大しベーシック事業を縮小する事業構
造転換方針の一環。ランクセスの当該事業を4億6,000万ユーロと評価して取引を行
う。来年上半期の買収手続き完了を見込んでいる。
ランクセスのウレタンシステムズ事業は熱硬化性ウレタンエラストマー用の高機能
ウレタン樹脂に強い。工場を米国に2カ所、ブラジル、欧州、中国に各1カ所展開。
従業員数は約400人に上る。2024年12月期は売上高で2億6,500万ユーロ、営業利益
(EBITDA)で5,000万ユーロが見込まれている。
UBEはスペシャリティ事業の1つであるC1ケミカル(COやCO2など1つの炭素原子を含
む物質からの化学製品合成)チェーンで米国を重点市場と位置付け、ルイジアナ州
にDMC・EMC(ジメチルカーボネート・エチルメチルカーボネート)の新プラントを
現在、建設中。さらに、その川下であるPCD(ポリカーボネートジオール)とPUD
(ポリウレタンディスパージョン)でも積極的な拡大を進めている。今回の取引で
はPCDとPUDの川下・周辺領域に当たる高機能ウレタン樹脂事業を取得する。ランク
セスのウレタンシステムズ事業が持つ技術力・ノウハウ、グローバルな人材・製造
基盤、顧客との強固なパートナーシップ・販売ネットワークなどを継承し、高機能
ウレタン樹脂市場でプレゼンス強化する狙いだ。
ランクセスは昨年11月、非中核事業扱いのウレタン・システムを売却して債務の返
済に充てる意向を表明していた。今回のUBEとの取引により、ポリマー事業からの
撤退が完了する。

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