FPGA(書き換え可能な集積回路)技術の開発を手がけるチェコのダイナニック
(Dynanic、旧ブルノ・ロジック)が11月28日、プレシード・ラウンドで55万ユー
ロを調達した。特殊な知識がなくてもFPGAを簡単に最適化できるようにする目的
で、すでに400ギガビット秒(Gbps)のネットワーク向け技術を実用化している。
今後は800Gbpsに対応する技術を開発する計画だ。グーグルやマイクロソフト、メ
タ、アマゾン、IBMといった巨大企業との取引を視野に入れている。
ダイナニックは2021年、ブルノ工科大学のスピンアウト企業として創業した。FPGA
の最適化で処理能力を向上させ、高性能アプリケーションへの統合を簡単にする技
術を開発した。
FPGAは通常の集積回路(IC)とは異なり、技術やデータセンターの急速な進化に柔
軟に対応できる特長がある。ダイナニックの技術は専門知識が不要で、パラメータ
を選ぶだけで必要な性能を得られるという。
チームリーダーのパヴェル・コルチェク氏によると、FPGAのプログラミングはとて
も難しく、これに熟達している人はほとんどいない。ダイナニックはブルノ工科大
学で研究を20年続けて習得したこの技術を商業化すべく、スピンアウト企業として
独立したという。
ダイナニックのパケット処理技術は、インテルやAMDなどFPGAの主要メーカー全て
から公式ツールとして認定されている。韓国カカオや加キャルーム(Kaloom)・
ネットワークスが、データセンターのアプリケーションを高速化するために利用し
ている。
今回の調達ラウンドでは、チェコのディープテックファンド、テンソル
(Tensor)・ベンチャーズのほか、複数のエンジェル投資家が出資した。
ダイナニック社ホームページ
https://dyna-nic.com/