電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)などの超低炭素車に対する消費者の関心は高いものの、航続距離や価格がネックとなりその市場ポテンシャルは今のところ小さい――独市場調査会社インファス(Infas)が独タイヤ大手コンティネンタルの委託で行った消費者の意識調査で、こんな結果が明らかになった。
\インファスの調査はドイツ、米国、フランス、中国のドライバーと、世界の主要10都市(バンコク、ベルリン、北京、デリー、ハンブルク、ロサンゼルス、モスクワ、パリ、サンパウロ、シンガポール)の35才以下の若者を対象に行われた。EVについて「知っている」と回答した人は、ドイツが99%、米国が92%、フランスが67%、中国が92%と、EVの認知度はフランスを除く3カ国で9割を超えた。ただ、EVの適切なユーザプロファイル(◇1日150キロメートル以内の短距離走行が7割以上◇100キロメートルを超える走行が月に4回以下◇EVのコストが内燃機関車より高いことを予期している◇具体的な購入の意思がある)に合致する消費者の割合はドイツで4%、米国で2%、フランスで1%と極めて低く、中国だけが14%と2けたを記録した。また、EVを購入する際に「価格を最も重視する」と回答した人はドイツで43%、米国で41%、フランスと中国がそれぞれ49%に上り、価格が重要なファクターであることが示された。
\コンティネンタルのデーゲンハルト最高経営責任者(CEO)は調査結果を受け、「消費者は価格に敏感であり、通常の内燃機関車とEVのコストの差が1万ユーロにも達していることを考えると、EVの市場ポテンシャルは短期的にきわめて低いといわざるをえない。スケールメリットが働いてEVの価格が大きく下がり、需要が拡大するまでにはまだ時間がかかることが予想され、メーカーとサプライヤーには、EVのコスト削減に向けて一層の努力が求められる」と述べている。
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