独変速機メーカーのゲトラクは11日、中国の自動車メーカー、Qoros Automotiveからデュアルクラッチトランスミッション「6DCT250」を受注したと発表した。中国からの受注は初めてという。6DCT250のほか、6速マニュアルトランスミッションも供給する。
\Qoros Automotiveは中国の自動車大手、奇瑞汽車(Chery Automobile)とイスラエルの持ち株会社イスラエル・コーポレーションが2007年12月にChery Quantum Autoの社名で設立した合弁会社。独技術情報サイト『ATZオンライン』によると、同社は昨年10月からコンパクトカーのプロトタイプの走行試験を開始している。同モデルは2013年に発売する計画で、2015年までにはさらにコンパクトSUVなど3モデルを市場投入する計画という。
\ゲトラクが供給する6DCT250と6速マニュアルトランスミッションはQorosが初めて市場投入するモデルに採用される予定。ゲトラクは2013年初めから江西省・南昌市にある同社の工場で6DCT250の生産を開始する計画を示している。
\ \■ 「6DCT250」の販売好調
\ \ゲトラクは6DCT250を小型・中型車向けに開発、2010年に出荷を開始した。現在、ルノーの「メガ―ヌ」と「セニック」、フォードの「フォーカス」と「フィエスタ」に採用されている。販売は好調で、6DCT250の生産は2013年までに累計で100万基に達する見通し。また、イタリアのバリとメキシコのイラプアトにある同変速機の主力工場では当初計画よりも早く生産能力が上限に達する見通しという。
\ \■ Qoros、欧州への輸出を計画
\ \Qorosが開発中のモデルは欧州の代表的な衝突安全テストである欧州自動車アセスメントプログラム(ユーロNCAP)に対応した技術力の高いモデルで、欧州市場への輸出も計画している。『ATZオンライン』によると、同社にはVWやゼネラルモーターズ(GM)、BMW、MINI、ジャガー・ランドローバー、サーブ、ボルボなど欧米自動車大手出身のマネージャーや技術者が多い。例えば、デザインはMINIの元チーフデザイナーのゲルト・ヒルデブラント氏が担当しているという。
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