独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディの取締役会と監査役会は18日、メキシコに工場を建設する計画を承認した。2016年からスポーツユーティリティビークル(SUV)車を生産する計画。建設地は年内に決める方針としている。
\アウディのルパート・シュタートラー社長はメキシコに決めた理由について、自動車産業の歴史と経験があり、インフラが整うほか、コスト競争力も高く、自由貿易協定を結んでいることなどが決め手となった、と説明している。親会社のVWはすでに同国のプエブラに自動車工場、シラオにはエンジン工場を持つ。メディア報道によると、新工場では「Q5」を生産するもよう。
\建設地の決定では、用地の確保や物流網との接続などの条件のほか、学校や大学があり、技能を持つ人材を確保しやすい環境にあることを重視する方針を示している。
\アウディは北米市場では、独競合のメルセデス・ベンツやBMWに後れを取っており、自社工場の建設により北米事業を強化する。BMWは米サウスカロライナ州のスパータンバーグでSUV車を生産している。メルセデス・ベンツも米アラバマ州のタスカルーサ工場でSUV車などを生産している。
\ \■ 伊自動二輪メーカーのドゥカティを買収へ
\ \アウディは同日、伊自動二輪メーカーのドゥカティを買収すると発表した。伊投資会社のインベストインダストリアル・グループから持ち分を取得する。取引成立にはカルテル当局の認可が必要となる。
\アウディはイタリアではすでに、スポーツカーメーカーのランボルギーニとデザイン・エンジニアリング会社のイタルデザインを傘下に収めており、ドゥカティは同国で3番目の企業買収となる。
\アウディのルパート・シュタートラー社長はドゥカティについて、「世界のオートバイメーカーの中でも高級ブランドとして認識されており、スポーティーなオートバイの生産で長い伝統を持つ」と評価。また、ドゥカティの高性能エンジンや軽量化技術は、アウディやVWの今後の発展に寄与すると述べ、期待感を示している。
\ドゥカティは本社のあるボローニャのほか、タイに工場を持つ。2011年は約4万2,000台を販売し、売上高で約4億8,000万ユーロを計上した。従業員数は約1,100人。
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