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2012/6/1

一般・技術・その他 (旧)

独シューラー、墺アンドリッツが買収へ

この記事の要約

オーストリアのエンジニアリング会社アンドリッツ(Andriliz)は5月29日、独プレス機械大手のシューラーを買収すると発表した。すでに、シューラーの創業者一族が保有するグループ会社(Schuler Beteiligun […]

オーストリアのエンジニアリング会社アンドリッツ(Andriliz)は5月29日、独プレス機械大手のシューラーを買収すると発表した。すでに、シューラーの創業者一族が保有するグループ会社(Schuler Beteiligungen)からシューラーの資本の38.5%を1株当たり20ユーロで取得することで合意している。残りの分散株主についても同様に1株当たり20ユーロで買収提案し、完全子会社化する方針。両取引ともカルテル当局の認可が必要となる。

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1株当たり20ユーロの買収提案価格は、前日(5月28日)の終値を26.34%、過去3カ月の平均株価を35.32%上回る。アンドリッツ・グループは2012年3月末時点で約13億ユーロの現金を保有しており、今回の買収は手持ち資金で賄う予定という。

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独業界紙『オートモビルボッヘ』によると、今回の取引はシューラーの後継者問題を解決するための措置であるという。同社の広報担当者はアンドリッツについて、長期的な視野でシューラーの事業を任せることができると判断した、と説明している。

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シューラーによると、同社は自動車や産業向けの金属加工機械で世界最大手に数えられる。売上高は10億ユーロ以上、従業員数は5,000人以上。特に、自動車産業向けの大型プレス機に強く、独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ(FAZ)』によると、同社の売上高の約20%を当該分野が占めている。

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一方、アンドリッツは、水力発電やパルプ、製紙産業向けなどの産業設備を得意とするが、金属事業(METALS)ではステンレス鋼や炭素鋼、非鉄金属の冷間圧延板の加工機械で世界でも大手に入るという。アンドリッツの装置で加工した板をシューラーの機械で加工することができるため、両社の補完性は高い、と説明している。アンドリッツの売上高は約46億ユーロ。1万7,000人以上の従業員を抱える。

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