独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)は2日、幹部人事を大幅に刷新する計画を発表した。中国事業の拡大や、VW傘下の商用車3ブランドの連携強化などを見据えた措置で、取締役など30の幹部ポストを入れ替える。新たな経営体制により、2018年までに世界最大手の自動車メーカーとなる目標の達成に臨む。大部分の人事刷新は9月1日付けで実施される予定。
\今回初めて設けられた中国事業担当取締役には、これまで商用車事業の担当取締役であったヨッヘム・ハイツマン氏が就任する。また、商用車事業担当取締役の後任には、スカニアのレイフ・オストリンク最高経営責任者(CEO)が就任する。
\中国事業については、業界やメディアの予想外の人事となった。VW中国法人のカールトーマス・ノイマン最高経営責任者(CEO)はVWのマルティン・ヴィンターコルン社長の後継者として有力視されていたが、ヴィンターコルン社長は今回の人事発表で、「ノイマン氏にはグループ内で新たな任務をさがしている」と述べるにとどめている。メディア報道では、ノイマン氏がVWグループを去るとの見方が強まっている。
\スカニアのオストリンクCEOは今後、MAN、スカニア、VWヌッツファールツォイゲの商用車3ブランドの連携を強化し、コスト削減や成長戦略で相乗効果を引き出すことが求められる。オストリンクCEOはこれまでVWのスカニアに対する影響力の拡大に抵抗姿勢を示してきた経緯があるが、独経済紙『ハンデルスブラット』は今回の人事について、VWはオストリンク氏を監督下に置き、より影響力を強める狙いがあると分析している。
\このほか、MANグループのゲオルグ・パハタレイホーフェン社長は、VWグループの産業用エンジン事業も統括することになり、船舶や発電用などの大型エンジンの販売を強化する。
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