ドイツ政府は20日、エレクトロモビリティーの普及に向けて2010年5月に発足させた政産学連携プロジェクト「国家プラットフォーム・エレクトロモビリティー(NPE)」がまとめた第3回目の報告書を公表した。NPEは、ドイツが2020年までにエレクトロモビリティー分野において主導的な地位と市場を確保する目標を目指すことで合意している。今回の報告書では、同目標に向けて前進していると評価するとともに、今後の課題や政策への進言をまとめている。次回の報告書は2014年に提出する予定。
\NPEは2014年までを「市場準備期」と位置付けており、今回の報告書では、準備期である現行時点で連邦政府が研究開発に重点投資している政策を評価。4地域で実施する大型パイロットプロジェクトは、課題に対する認識を深める機会として有効であるとの見解を示している。
\連邦政府とNPEは今後の取り組みとして、2013年春にエレクトロモビリティーをテーマにした国際会議を開催する計画を明らかにしている。また、NPEは次回の報告書を「準備期」が終了する2014年に提出する予定。
\ \■ 2020年の目標に向けて有効策を模索
\ \NPEの代表者であるヘニング・カーガーマン氏は独経済紙『ハンデルスブラット』のインタビュー取材に対し、NPEが現行の助成施策では2020年の電気自動車の普及台数は60万台以下にとどまり、政府目標の100万台を大きく下回ると予想していることについて、「今回の報告書は進捗状況をまとめたもので、結果の報告ではない」と説明し、今後の取り組みの中で目標の達成に向けた有効策を見つけていく方針を示した。
\また、ポスト・リチウムイオン電池の開発については、2020年に最初のプロトタイプが完成し、2025年頃に市場投入できる可能性があるとの見解を示している。
\NPEは電気自動車の普及台数の統計では、純粋な電気自動車、プラグインハイブリッド車、レンジエクステンダー(航続距離延長装置)付き電気自動車の3機種を対象としている。3機種とも電力網から直接充電できるプラグイン式であることが共通点となっている。
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