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2012/6/22

総合 – 自動車産業ニュース

対日EPAの本交渉開始に暗雲、欧州議会が見送り要求

この記事の要約

欧州議会は13日の本会議で、欧州連合(EU)と日本の経済連携協定(EPA)締結に向けた本交渉の開始を当面は見送るよう加盟国に求める決議を採択した。日本からの自動車輸入が急増することなどを懸念したもの。決議に法的拘束力はな […]

欧州議会は13日の本会議で、欧州連合(EU)と日本の経済連携協定(EPA)締結に向けた本交渉の開始を当面は見送るよう加盟国に求める決議を採択した。日本からの自動車輸入が急増することなどを懸念したもの。決議に法的拘束力はないが、議会はEPA批准を否決する権限を持っており、その声をEUは無視できないことから、交渉開始が遅れる可能性が強まってきた。

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同決議は賛成515、反対74、棄権89の圧倒的多数で採択された。日本とのEPA締結自体には反対していないものの、日本の公共調達や自動車、医薬品市場の非関税障壁撤廃が不透明として、対日EPAに関する欧州議会の立場が固まるまで正式交渉の開始を見送るよう求めている。

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欧州議会がとくに懸念しているのが、EU自動車業界に及ぼす影響。韓国との自由貿易協定(FTA)発効により、韓国車の輸入が急増し、域内メーカーを大きく圧迫していることが背景にある。

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EUと日本は5月にEPAの締結に向けた予備交渉が終了。欧州委員会が交渉方針をまとめ、加盟国の合意を得た上で本交渉を開始することになっていた。

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2009年に発効したEUの新基本条約「リスボン条約」では、EUの貿易協定、人権などに関する決定に欧州議会が拒否権を発動する権限が新たに認められた。このため、EUが日本とEPA締結で合意しても、欧州議会が反対すれば批准できない。欧州議会は本交渉開始に待ったをかけた格好で、対日EPAの先行きは不透明となってきた。

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