伊商用車大手のイベコはこのほど、年内に欧州の5工場を閉鎖する計画を発表した。
\対象となるのは、ドイツのゲルリッツ、ヴァイスヴァイル、ウルムの3工場、オーストリアのグラーツ工場、フランスのシャンベリー工場の計5工場で、現在計約2,000人が勤務している。今回の措置により、従業員1,075人が職を失うという。3日付けの独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ(FAZ)』などが報じた。
\FAZ紙によると、イベコはこれまで買収を通して事業を拡大してきた経緯がある。このため、工場が欧州各国に分散していることから、合理化を進めている。昨年はスペインのバルセロナとイタリアのアヴェッリーノにあるバス工場を閉鎖した。一方、スペインのマドリッドにあるトラック工場には5億ユーロを投資し、新たに1,200人を雇用する計画も打ち出している。
\今回の措置では、ウルムの大型トラックの生産をスペインのマドリッド工場に移管する一方、ウルムは消防車の生産に特化する。5工場に分散していた消防車の生産をウルムに集約する。これによりウルム工場では1,000人の職場を維持することができるという。独経済紙『ハンデルスブラット』によると、ウルムではトラック生産に670人、消防車の生産に450人を配置していた。消防車は、アブダビやドバイで建設需要の高まりを背景に販売が伸びているという。
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