シーメンスの照明子会社オスラムは6月27日、高温の環境でも長時間、安定的に使用できる有機発光ダイオード(OLED)素子の開発に成功したと発表した。85度の高温で寿命を測定したところ、数百時間安定して動作したという。
\自動車向け照明の分野では、従来の白熱球からエネルギー効率の高い発光ダイオード(LED)への転換が進んでいる。ただ、LEDは点状光源のため、光源がまぶしい、視野角が狭いなどの難点がある。これに対し、OLEDは自発光型(面全体で発光)で視野角が広いなどの特徴があり、次世代の自動車用照明として期待されている。
\OLEDを自動車用照明として実用化する上での課題は温度耐性だ。OLEDは素子の駆動時に内部抵抗による発熱で温度が上昇するほか、エンジンからの排熱も受けるため、85度あるいはそれ以上の温度でも安定して駆動することが求められる。オスラムは今回、85度の高温環境で数百時間の駆動を確認し、実用化に一歩近づいたとしている。
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