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2012/8/24

一般・技術・その他 (旧)

独F1サーキットへの公的支援、欧州委が調査を拡大

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、自動車レースF1などの会場として知られるドイツの有名サーキット、ニュルブルクリンクに対する公的支援策について、国家補助規定との整合性に関する調査を拡大すると発表した。欧州委はサーキット […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は9日、自動車レースF1などの会場として知られるドイツの有名サーキット、ニュルブルクリンクに対する公的支援策について、国家補助規定との整合性に関する調査を拡大すると発表した。欧州委はサーキット運営会社の株式90%を保有する独ラインラント・プファルツ州が実施した5億ユーロ規模の資金支援について、今年3月から詳細調査を進めているが、返済条件の変更など、融資に関連した追加的な措置についても国家補助規定との整合性を精査する。

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ニュルブルクリンクはフランクフルトの北西120キロに位置し、F1(ドイツグランプリはニュルブルクリンクと南西部のホッケンハイムで交互に開催)をはじめとする数多くの自動車レースが行われているほか、トヨタや独BMWなどが新車のテストコースとして使用していることでも知られる。しかし、ニュルブルクリンクの運営会社は2009年に行った遊園地やホテル建設を柱とする再開発のための借入れや、F1運営組織に支払う開催権料の高騰などで急速に経営が悪化。ラインラント・プファルツ州は今年に入り、運営会社に対して5億2,400万ユーロの緊急融資を実施した。

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欧州委は市場実態と乖離した条件で融資が実施された可能性があるとして調査を進めてきたが、今後は融資に関連して州政府が5月に決定した追加措置も調査の対象となる。具体的には融資に対する利子支払い期日の変更、債権の劣後化、株主からの追加融資などが焦点になる見通しだ。EUの国家補助規定は「最初で最後の原則(one time, last time principle)」に基づき、経営難に陥った企業が再建計画を実行するまでの期間、破綻させないための一時的な公的支援を認めているが、欧州委によると、ニュルブルクリンクは08年から経営が悪化し、同年にラインラント・プファルツ州から融資を受けている。欧州委はサーキットの経営を維持するため、実質的なオーナーである州政府が運営会社に対して不当に有利な条件でくり返し融資を実施したものの、継続的な公的支援がなければ経営再建は難しいとの見方を強めている。

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