独炭素繊維大手のSGLグループは18日、ポルトガルのアクリル繊維メーカーFisipe(Fibras Sinteticas de Portugal S.A.)を完全買収したと発表した。Fisipeの株主への公開買い付けとスクイーズアウト(少数株主の保有株の強制買い上げ)により、同社の株式の100%を取得した。Fisipeはポルトガルの株式市場における上場廃止となった。Fisipeの事業はSGLの炭素繊維・部品事業(Carbon Fibers & Composites)に統合される。
\Fisipeの織物繊維用の生産設備を炭素繊維の原料であるプレカーサーの生産設備に改造し、生産能力も拡大する。ただし、特殊織物および技術分野向けのアクリル繊維の製造・販売は今後も継続する。
\Fisipeは1973年の設立で、ポルトガル中西部のラブラジオに本社を置く。従業員数は現在約330人で、2011年の売上高は約1億3,000万ユーロだった。
\SGLは同社を買収した理由として、技術力の高い従業員、拡張が可能な生産施設、近代的な研究開発施設、整備された物流網などを挙げている。
\また、今回の買収は、SGLグループが進めている、炭素繊維の原料、炭素繊維、炭素繊維を使用した複合材料の生産サイクルを強化する取り組みの一環に位置付けられる。
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