欧州自動車メーカーの重要なデータが中国に流出したもようだ。9日付けの独経済紙『ハンデルスブラット』によると、仏エンジニアリング会社A2MAC1が保有する部品や品質に関わる詳細な情報が少なくとも中国の自動車大手、長城汽車の手に渡ったという。
\自動車メーカーは競合の新技術を分析したり自社モデルの品質水準を比較したりするため、他社の車両を購入してバラバラに分解し、詳細データを調べている。A2MAC1はこのような作業をダイムラーやBMW、フォルクスワーゲン(VW)、プジョー、ジョンソンコントロールズなどから受注しており、高い品質のデータを供給することで業界の信頼を得ていたという。
\この種のデータは各社にとって競争力に関わる重要なデータであるため、情報の公開は各社が認める特定企業に限られており、A2MAC1との契約では特に、中国の競合企業に情報が渡らないようにすることが明記されていたという。
\『ハンデルスブラット』紙によると、流出した情報には、明らかにA2MAC1のものと見られるVW「CC」とBMW「5シリーズ」のデータが含まれているという。ただし、このようなデータを中国側が違法に入手したのか、あるいはA2MAC1が長城汽車に売却したのかなど流出ルートについては不明であると報じている。
\同紙によると、今回の事態を受けてA2MAC1との契約を打ち切ることを検討する企業も出ているもよう。
\自動車メーカーは競合モデルを自ら分解・分析することも可能であるが、A2MAC1は過去のデータを持つため比較が容易であるほか、1社がデータを分析した方がより品質の高い情報を得られるといったメリットがあるという。
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