ハンガリーの石油・ガス最大手MOLは7日、伊同業ENIからチェコ、スロバキア、ルーマニアの下流事業を買収することで合意したと発表した。これら3カ国の卸売事業のほか、ガソリンスタンド(GS)計208店舗を取得する。これにより、MOLが運営するGS網は11カ国、約2,000店舗に拡大する。
MOLはチェコで125店舗、スロバキアで41店舗、ルーマニアで42店舗のGSをそれぞれ取得する。同社は現在、チェコで子会社スロブナフトとPAPオイルを通じて149店舗を運営しているが、ENIのGSを統合することで、燃料小売市場のシェアが10%超に拡大する。なお、スロバキアでは212店舗、ルーマニアでは147店舗を運営している。
MOLはまた、ENIからチェコの製油会社チェスカー・ラフィネースルカー(CR)の持ち分を買収することでも合意したが、この持ち分についてはCRの筆頭株主であるチェコの石化大手ウニペトロルが先買権を保有しているため、MOLが実際に取得できるかは不透明だ。