自動車の排気系部品や暖房システムを製造する独エーベルスペッヒャーが20日発表した2013年通期決算の売上高は前年比3.2%増の29億1,640万ユーロに拡大した。ただ、商用車の排ガス規制「ユーロ6」に対応するための投資が重く、純利益は1,950万ユーロにとどまり、前年(7,150万ユーロ)に比べ大きく落ち込んだ。今年は受注が好調で、2014~2016年は毎年10%の増収を確保できると見込んでいる。
排気系部品を生産するドイツのノインキルヒェン工場では受注とコスト構造のバランスの見直しを行っており、2016年までに従業員数を最大で500人削減する方針を明らかにした。経営上の理由による解雇は可能な限り回避する意向だが、状況によっては解雇の可能性は否定できないとコメントした。同工場の競争力強化に向けた事業見直しも利益を押し下げた一因と説明している。
事業別の売上高は、乗用車や商用車の排気系部品を生産するエグゾースト・テクノロジー部門が前年比2.2%増の24億4,940万ユーロ、自動車の温度管理システムなどを生産するクライメート・コントロール・システムズ部門も6.8%増の4億2,70万ユーロの増収を確保した。既存の事業部門から分離して新たに設けたオートモーティブコントロールズ部門では、アイドリングストップ機能などの電子制御部品を主に生産しており、比較対象となる事業の前年売上高に比べ31.3%増の3,990万ユーロと大幅に伸びた。
従業員数(訓練生も含めた年平均)は前年比7.3%増の7,888人に増加。うちドイツ国内は4,234人、国外が3,654人だった。