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2014/5/30

総合 – 自動車産業ニュース

大型車の排出削減に向けた戦略を発表、排出量の報告・モニタリング義務化へ

この記事の要約

欧州連合(EU)の欧州委員会は5月21日、トラックやバスなどの大型車から排出される二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた政策文書を発表した。EUでは乗用車と軽商用車について2020年を達成期限とする排出目標を定めて規制 […]

欧州連合(EU)の欧州委員会は5月21日、トラックやバスなどの大型車から排出される二酸化炭素(CO2)排出量の削減に向けた政策文書を発表した。EUでは乗用車と軽商用車について2020年を達成期限とする排出目標を定めて規制を実施しており、すでに一定の効果を上げている。大型車は用途によって形状やサイズなどが異なるため、一律の規制を導入することが難しいという事情があるが、欧州委は第1段階として正確に実態を把握するため、2015年中にメーカーに対してCO2排出量の届け出やモニタリングを義務付けるための法案をまとめる方針を示している。

欧州委によると、EU域内を走行する大型車は道路輸送におけるCO2排出量の約4分の1を占め、1990年からの20年間で排出量は36%増加した。EUは50年までに輸送部門からの温室効果ガス排出量を90年比で60%削減するとの目標を掲げているが、新たな政策を動員しなかった場合、大型車からの排出量は30~50年まで現在と同じ水準が維持される見通しで、目標の達成が困難になる。このため欧州委は大型車からのCO2排出削減に向けた具体策を検討するための土台として、短期および中長期の戦略を策定した。

それによると、まず短期的な取り組みとして、域内で販売されるすべての新車を対象に、EUが開発したシミュレーションモデル「VECTO」を活用したCO2排出量の測定、報告、モニタリングを各メーカーに義務付ける。欧州委は収集したデータをもとに、拘束力を持つ規制の導入を含めた具体策を検討する。この中には走行1キロメートル当たりの排出上限の設定のほか、代替燃料の普及促進に向けたインフラ整備や自動車税の見直しなどが含まれる見通しで、欧州委は詳細な影響評価を通じて最もコスト効率の高い選択肢を特定すると説明している。

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