仏ルノーは、電気自動車(EV)の投入計画の見直しを迫られている。需要が想定に届いていないためだ。ストル最高業績責任者(CPO)が5月22日、ブルームバーグの取材に対して明らかにした。
ストルCPOは「市場は我々が想定した状況になっていない」とし、「消費者は、EVを日常的に使うために持つ必要性を感じるところまで来ていない。EVへの移行にはこうした必要性を感じることが必要だ」と指摘した。また、今年のジュネーブモーターショーで発表した小型車「トゥインゴ」のEVバージョンを投入する方針を確認する一方で、具体的な投入時期については、プロジェクトが保留状態になっていることを理由に言及を避けた。
ルノーは日産とともに2016年までにEVを150万台販売することを目標に掲げており、EVへの中期投資計画の規模は40億ユーロに上る。しかし、ゴーン最高経営責任者(CEO)は昨年、目標の達成は難しいとのとの見方を示した。ルノーは昨年、乗用車と軽商業車を計263万台販売したが、このうちEVは1万9,093台にとどまった。