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2014/7/11

企業情報 - 自動車メーカー

BMW、メキシコに新工場

この記事の要約

独高級車大手のBMWは3日、メキシコ中部のサン・ルイス・ポトシに新工場を建設すると発表した。今後数年間で10億米ドルを投資する。2019年に生産を開始する計画で、同時点での従業員数は約1,500人を見込んでいる。生産モデ […]

独高級車大手のBMWは3日、メキシコ中部のサン・ルイス・ポトシに新工場を建設すると発表した。今後数年間で10億米ドルを投資する。2019年に生産を開始する計画で、同時点での従業員数は約1,500人を見込んでいる。生産モデルについては今後発表する。メディアが同社筋から得た情報によると、3シリーズのような中型モデルが候補に挙がっているもよう。

新工場の生産能力は年15万台となる予定。同社では北・南米市場で今後、BMWグループの販売が伸びると見込んでおり、新工場の建設により需要拡大に対応する。BMWはすでに米サウスカロライナ州のスパータンバーグにも工場を持っている。

■ 貿易協定が魅力

メキシコへの生産進出は、同国が北米自由貿易協定(NAFTA)圏や欧州連合(EU)、南米南部共同市場(メルコスール)加盟国と貿易協定を結んでいることが大きな利点となる。質の高い労働力を確保しやすいことや、自動車部品メーカーのネットワークがすでに構築されていること、インフラが整っていることも決め手となった。BMWグループはすでにメキシコから自動車部品を調達しており、2013年の調達規模は16億米ドルだった。

BMWはメキシコには1994年から販社を通して進出。2013年には同国で前年比18.3%増の1万3,992台を販売した。同年の自動二輪の販売は16.6%増の2,064台だった。

■ 2019年までにNAFTA圏で総額22億米ドルを投資

BMWは今年3月、2016年までにスパータンバーグ工場に10億米ドルを投資すると発表した。生産能力を現在の年30万台から50%増やして年45万台に引き上げる。また、BMWグループと独炭素製品大手のSGLグループは今年5月、米ワシントン州のモーゼスレイクにある炭素繊維工場の生産能力を3倍に増強すると発表、拡張工事の鍬入れ式を行っている。追加投資は2億米ドル。スパータンバーグ工場、モーゼスレイクにある炭素繊維工場、メキシコの新工場への投資を合わせるとBMWグループは2019年までにNAFTA圏で総額22億米ドルを投資することになる。

なお、BMWは南米ではブラジルの南部にあるサンタカタリーナ州のアラクアリ(Araquari)に新工場を建設している。年内に操業を開始する予定。

■ 独高級車3社、相次いでメキシコに進出

メキシコにはすでに、独高級車大手のアウディとダイムラーも生産進出を決めている。アウディはメキシコのプエブラ州サンホセチアパに新工場を建設しており、2016年にスポーツ多目的車(SUV)「Q5」の第2世代モデルの生産を開始する計画。生産能力は15万台で、需要に応じて年18万台まで生産を拡大できるとしている。

独ダイムラーは6月27日、ルノー・日産アライアンスとメキシコ中北部のアグアスカリエンテスに新工場を建設・運営する合弁会社を折半出資で設立すると発表したばかり。次世代のプレミアムコンパクトカーの開発・生産で協力し、2017年に日産の高級車ブランドであるインフィニティの生産を開始し、2018年にはメルセデス・ベンツの車両生産も始める。

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