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2014/8/29

一般・技術・その他 (旧)

欧州版GPSが本格運用へ前進、フル装備の衛星2基打ち上げ

この記事の要約

欧州宇宙機関(ESA)は8月22日、欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の衛星2基を新たに打ち上げたと発表した。ESAは2011年と12年に2基ずつ、計4基の実証衛星を打ち上げている。今回は初めてすべての機能を装備 […]

欧州宇宙機関(ESA)は8月22日、欧州独自の衛星利用測位システム「ガリレオ」の衛星2基を新たに打ち上げたと発表した。ESAは2011年と12年に2基ずつ、計4基の実証衛星を打ち上げている。今回は初めてすべての機能を装備したFOC(Full Operational Capability)衛星2基が打ち上げられた。ESAは17年末までに衛星24基によるコンステレーション(衛星連携システム)を構築し、20年までに30基の衛星と3カ所の地上管理センターなどから成る測位システムの完成を目指すとしている。

ガリレオ5号機と6号機を積んだロシアのソユーズは、仏アリアンスペースによって仏領ギアナのクールー宇宙基地から打ち上げられた。「技術的な問題」のため計画が大幅にずれ込んだ末、当初は21日の打ち上げが予定されていたが、悪天候で1日延期となった。

一方、ESAとアリアンスペースは21日、「アリアン5ES」ロケットによる衛星打ち上げに関する契約を結んだと発表した。アリアンスペースは今後、衛星10基をソユーズで打ち上げることになっているが、新たな契約に基づいて来年以降、アリアン5型でさらに12基を3回に分けて打ち上げる。ESAは1度に打ち上げ可能な衛星がソユーズの2基からアリアン5では4基に増えることで、20年までの本格運用に向けてプロジェクトを加速させることができると説明している。

ガリレオは米国の全地球測位システム(GPS)に対抗してEUが開発を進める民生用の測位システム。GPSより精度が高く、数センチの誤差で測定される位置情報をカーナビ、鉄道や車両の運行管理、航空管制、資源探査、都市計画、犯罪捜査などに役立てることを目的としている。ガリレオの開発費は54億ユーロ、運用コストは年間8億ユーロに上るが、欧州委員会は20年間で900億ユーロの経済効果を見込んでいる。これまでに打ち上げられた衛星4基はすでに測位信号の送信を開始している。位置情報には10~15メートルの誤差があるものの、ESAは今後設備が拡充されれば大幅に精度が向上すると説明している。

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