独化学大手のヘンケルはこのほど、同社のポリウレタン系コンポジットマトリックス樹脂「LOCTITE MAX2(ロックタイト マックス2)」(以下、マックス2)を使用した繊維補強複合材のリーフスプリング(板バネ)がスウェーデンの乗用車大手ボルボ・カーズのクロスオーバーSUV「XC 90」の車台に採用されていると明らかにした。この板バネは独炭素製品大手のSGLグループと独自動車部品会社のベンテラーが設立した合弁会社ベンテラー・SGLが生産している。
ヘンケルによると、このリーフスプリングを斜めに配置することによりボルボの「XC 90」ではコンパクトな設計が可能になり、従来のコイルばねを使用した場合に比べ4.5キログラムの軽量化が可能になった。また、快適性やNVH(騒音・振動・ハーシュネス)も改善したという。
「XC 90」に使用されている車台は「スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー(SPA)」と呼ばれるボルボの新世代プラットフォーム。ボルボは「XC 90」で初めて導入したSPAを今後他のモデルにも採用していく方針を示している。このため、マックス2を使用したベンテラー・SGLの板バネを装備した車両の生産台数は今後、年数万台に拡大する見通しという。
ベンテラー・SGLはヘンケルとの協力により、2013年から量産マックス2を使用したリーフスプリングを量産している。