英国ロンドン・イズリントン特別区の区議会は15日、区内で登録されたすべてのディーゼル車について、駐車許可証の発行料金を年96ポンド引き上げる法案を可決した。大気汚染改善策の一環で、4月から施行する。
ロンドンの特別区ではすでにカムデンとケンジントン・チェルシーがディーゼル車に対する駐車許可証に割増料金を導入している。割増額はカムデンが年10.3ポンド、ケンジントン・チェルシーは同18ポンドだが、欧州排ガス規制「ユーロ5」対応エンジンを搭載した車両は対象外となっている。
16日付けの英自動車雑誌『オートカー』は、すべてのディーゼル車に対して一律に負担を課すイズリントン区議会の手法に自動車業界は危機感を抱いていると伝えている。英自動車工業会(SMMT)は区議会に対して書簡を送り、高度なエンジン設計と排ガス後処理技術の進歩によって、ディーゼル車から排出される粒子状物質の99%、窒素酸化物の3分の2を除去することができるようになっていると指摘。すべてのディーゼル車の駐車許可証に割増料金を課すのは、「近年のディーゼル車をよりクリーンにする近年の大きな技術的進歩を無視している」とし、法案の見直しを訴えていた。
ロンドンのジョンソン市長は20年までに市中心部に「超低排出ゾーン」設定する計画を表明しており、ディーゼル車への規制は今後さらに強まることが予想される。