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2015/1/30

一般・技術・その他 (旧)

独ユーリッヒ研究所、MSC‐SOFC燃料電池の開発でオーストリアと協力

この記事の要約

ドイツのユーリッヒ研究センターは1月21日、同研究所に新設したクリスチアン・ドップラー実験室(CD実験室)を開設した。オーストリア政府や同国企業などと協力し、プラチナを使用しない金属指示型固体酸化物燃料電池(MSC‐SO […]

ドイツのユーリッヒ研究センターは1月21日、同研究所に新設したクリスチアン・ドップラー実験室(CD実験室)を開設した。オーストリア政府や同国企業などと協力し、プラチナを使用しない金属指示型固体酸化物燃料電池(MSC‐SOFC)によるトラック用補助電源装置(APU)の開発に取り組む。研究期間は約7年で、同実験室の運営費、年50万ユーロはオーストリア科学・研究・経済省が支援するほか、研究に参加するオーストリア企業も負担する。

トラックでは停車時も冷却装置や空調、ドライバーが使用するコーヒーメーカーなどの機器にエネルギーを供給する必要があるため、車両が停止した状態でエンジンが回転していることがある。このようなエネルギー需要に燃料電池で対応できればエンジンを回転させる必要がなく、騒音や環境負荷を低減できる。

CD実験室では、プラチナを使用しない金属指示型固体酸化物燃料電池(MSC‐SOFC)の研究に取り組む。MSC‐SOFCは高額なプラチナを使用しないため、生産コストを抑えることができるほか、振動に対する耐久性にも優れる利点がある。ただ、数百時間の稼働時間を超えると性能が大幅に低下する問題があるという。研究チームは寿命を改善するため、MSC‐SOFCの構造を研究し、稼働時間で約1万2,000時間の達成を目指しているという。

CD実験室には、ウィーン工科大学のほか、オーストリアの燃料電池部材メーカーであるプランゼーとエンジニアリング会社のエイヴィエル(AVL)リストも参加している。

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