スイスの電池メーカー、ルクランシェは11日、カナダの同業エレクトロヴァヤ(Electrovaya)の独子会社リタリオン(旧エボニック・リタリオン)からリチウムイオン電池の電極を調達すると発表した。グラファイトとNMC(ニッケル・マンガン・コバルト)を材料に使用したリタリオンの電極を採用したリチウムイオン電池のエネルギー貯蔵システムを生産・販売する。
リタリオンはこれまで自動車用の製品を主に生産してきたが、ルクランシェとの協力によりエネルギー貯蔵システムや産業用電池に事業の幅を広げる。リタリオンは2008年に独特殊化学大手エボニック・インダストリーズの子会社として設立され、2015年4月にエレクトロヴァヤの100%子会社となった。従業員数は約150人でドイツ東部のカーメンツに本社・工場を持つ。主に、NMC電極(カソード)、グラファイト電極(アノード)、セラミック製セパレーター「SEPARION」をベースにした製品を供給している。
ルクランシェはドイツの研究機関フラウンホーファー協会のスピンオフ企業として2006年に設立された。スイスのイヴェルドン・レ・バンに本社を置き、ドイツ南西部のヴィルシュテットに工場を持つ。リチウムイオン電池セルや、定置用電池、バス、トラム、鉄道、船舶向け電池の開発・生産などを事業とする。