韓国サムスンの子会社であるサムスンSDIはこのほど、オーストリアのツェットリング(グラーツ近郊)で新会社サムスンSDIバッテリーシステムズ(SDIBS)の営業を開始した。サムスンSDIは今年2月、カナダの自動車部品大手マグナ・インターナショナルのオーストリア子会社であるマグナ・シュタイヤーからバッテリーパック事業を買収すると発表した。買収手続きがこのほど完了し、新生SDIBSが始動した。
サムスンSDIはマグナ・シュタイヤーからバッテリーパック事業のすべてを買収し、従業員264人、生産および開発拠点、既存の取引契約も引き継いだ。サムスンSDIのバッテリーセルおよびモジュールに関するノウハウと、マグナのバッテリーパック事業を組み合わせ、今後の成長が予想される自動車用バッテリー市場における競争力をさらに強化する。
マグナは世界の自動車メーカーにバッテリーパックを供給しており、サムスンSDIは今回の買収により、欧州、北米、中国の顧客を確保することになる。
■ マイクログリッドでABBと戦略提携
サムスンSDIは3月には、スイスの重電大手ABBとマイクログリッド(分散型電源によるエネルギーネットワーク)によるエネルギー貯蔵システムの分野で戦略提携すると発表した。リチウムイオン電池を使用したマイクログリッドシステムの世界市場での開発・販売事業で協力する。サムスンSDIはバッテリー技術、ABBは世界的な市場プレゼンス、ネットワーク技術、世界的なサービス網を今回の提携に投入する。