独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級スポーツカーメーカーであるポルシェは19日、独産業用ロボット・機械設備大手クーカ(KUKA)の子会社クーカ・システムズから金型部門を買収すると発表した。同部門は、プレス金型や成形金型を得意とする。また、取引成立にはカルテル当局の認可が必要になる。
取引の対象となるのは、ドイツのシュヴァルツェンベルクとスロバキアのドゥブニツァの2拠点で、両拠点の従業員数は600人を超える。買収後は、ポルシェの100%子会社ポルシェ・ヴェルクツォイクバウ有限会社となる。
ポルシェのマティアス・ミュラー社長は今回の買収について、「金型部門の買収により、ポルシェは未来のスポーツカー生産にとって重要な路線を定めた」と述べ、「戦略的な観点から、(金型部門の)統合は当社にとって大きな一歩になる」と説明する。
また、同社のオリバー・ブルーメ取締役(生産・物流担当)は、「革新的な金型コンセプトを通して我々はポルシェの典型的な、感情に訴える高品質のデザインを実現することができる」と述べ、「特に軽量化で重要かつ複雑なアルミニウム部品に関するノウハウは我々の利益となる」とコメントした。
また、クーカ・システムズは金型部門の売却により、中核であるロボットをベースとする自動化ソリューション事業に注力していく。