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2015/9/4

一般・技術・その他 (旧)

独アウディ、ロボットと人が連携する作業を導入

この記事の要約

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディは人とロボットが連携作業を行うシステムの導入を進めている。ドイツのインゴルシュタット工場ではプラスチック製のラジエーターリーザーブタンクを箱の中から取り出して作業 […]

独フォルクスワーゲン(VW)傘下の高級車メーカー、アウディは人とロボットが連携作業を行うシステムの導入を進めている。ドイツのインゴルシュタット工場ではプラスチック製のラジエーターリーザーブタンクを箱の中から取り出して作業員に手渡すロボットを、ネッカースウルム工場ではテールゲート(後部の扉)を車両に組み込む作業を補佐するロボットを投入している。

 このような人と連携する作業を行うロボットを導入する背景には、腰などにかかる身体的負担の軽減や、作業員の高齢化への対応のほか、作業効率を改善し競争力を強化する狙いがあるという。

 

■ タンクを手渡し、センサーで接触回避

 

インゴルシュタット工場に導入したロボットは、1.40メートルのアームの先にコイン大の吸着キャップが付いている。カメラが目の役割を果たし、アームを覆う発泡材に組み込まれたセンサーが従業員との接触を回避する。同ロボットの導入にあたり、従業員に訓練を実施し、ロボットとの衝突事故が起こらない仕組みであることを説明している。

これまで投入してきたロボットは、柵に覆われたスペース内でロボットが作業を行うものだったが、今回のように人とロボットが連携するシステムの導入は初めてで、同システムは労災保険組合(Berufsgenossenschaft)の認証も取得した。

現在は、オフロード車「Q5」と「A4」のセダンおよびステーションワゴンを生産するラインに投入されており、4気筒エンジン搭載車のみにタンクを渡し、タンクを必要としない6気筒エンジン搭載車の場合には間をとって作業を停止する仕組み。

作業員がホースを車両から外すための赤いボタンを押すとロボットに信号が送られ、タンクを渡す仕組みとなっている。

 

■ 作業スペースを区分けして安全確保

 

ネッカースウルム工場では、アームロボットがテールゲートを車体の正確な位置に持って行き、作業員がテールゲートをねじで固定する作業を行う。テールゲートは重く、角もあるため、衝突事故が起きると怪我をするリスクが高くなる。このため同工場では、レーザースキャナーで作業スペースを監視するほか、作業スペースを区分けして床に「ゴーサイン」と「ストップ」サインを投射し、作業スペースに入ってよいかどうか目で見て分かるようにしている。「ストップ」ゾーンに誤って作業員が入った場合には、ロボットが作業を停止する仕組みとなっている。

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