仏タイヤ大手のミシュランと同国のインダストリアル・エンジニアリング会社であるFivesは4日、工業用の金属積層造形装置(金属3Dプリンター)を開発・販売する合弁会社を折半出資で設立する合意書に署名した。両社の協力により、金属3Dプリンターによる工業用量産設備の分野で世界市場を主導する地位を確立することを目指している。自動車や航空宇宙、医療など様々な産業分野向けに、機械の設計・製造や生産ラインの供給、関連サービスの提供などを行っていく。
新合弁会社FIVES MICHELIN ADDITIVE SOLUTIONSはミシュランの本社のあるクレルモン・フェラン近郊に拠点を置き、当初は両社の従業員約20人で事業を開始する。また、最初の3年間に2,500万ユーロを投資する。
ミシュランは、機械加工や溶接など従来の技術では実現が難しい成形部品を金属3Dプリンターを使って工業生産する技術の開発に取り組んできた。同技術がトラックおよび乗用車用タイヤの分野に投入できる水準に達したことから、合弁会社による事業化に踏み切った。
FIVESは、アルミニウム、鉄鋼、ガラス、自動車、物流、航空宇宙、セメント、エネルギーなど、幅広い分野に機械設備や生産ラインを供給している。新合弁会社には、機械工学やオートメーション、産業用プロセス制御に関するノウハウを投入する。本社をパリに置き、世界約30カ国に約8,000人の従業員を持つ。2014年通期の売上高は約16億ユーロだった。