独自動車部品大手のボッシュは9月に開催されるフランクフルトモーターショー(IAA)に、共同研究プロジェクト「GaTE」を通して開発した電気自動車の温度管理システムを出展する。同システムの採用により、冬季の市街地での運転で電気自動車の航続距離を最大25%延伸することができるという。
電気自動車は、車内の冷暖房に電気エネルギーを使用すると航続距離が短くなる問題がある。また、車載二次電池は常に約35度の温度に保つ必要あり、電池の温度管理にも電気エネルギーを消費するという。
共同プロジェクトで開発したシステムでは、ヒートポンプ、クーラントポンプ、クーラントバルブの組み合わせにより、熱や冷気を必要な場所に効率良く送りこむことができるようにした。同システムのヒートポンプは1,000ワットの電気から2,000~3,000ワットの熱エネルギーを作り出すことができるという。
また、電気モーターやパワーエレクトロニクス、減速時に発生するブレーキエネルギーなどの熱を有効利用するほか、空気循環システムにより空気中の湿気を取り除き、冷暖房の稼働を抑えるシステムも導入した。
「GaTE」は、独連邦教育研究省(BMBF)の支援を受けて実施したプロジェクトで、独自動車部品大手のベーア(2013年に独自動車部品大手マーレがベーアを買収)などが参加した。
ボッシュはこのほかIAAに48ボルトの低電圧を使用したハイブリッドシステムなども出展している。