独自動車部品大手のボッシュは12日、エレクトロモビリティー(電気駆動車)の分野に年4億ユーロを投資する方針を明らかにした。同社は、2025年には世界で生産される新車の約15%に電動駆動装置が搭載されると予想している。
ボッシュは電気自動車の普及が進むためには、中型の電気自動車で50キロワット時の電力量を持つ充電池が必要と考えており、50キロワット時の充電池で重量を190キログラムに抑えることを目標としている。現行の電気自動車に搭載されているリチウムイオン電池では約30キロワット時で重量は230キログラムになるという。また、充電時間については、15分以内に容量の75%を充電できる充電池の開発を目指している。
同社は、リチウムイオン電池の性能が向上すれば、スマートフォンやノートパソコン、タブレット端末や家電、工具など、様々な分野に同技術を活用できると説明している。
■ 米SEEOを買収
ボッシュは9月、米カルフォルニア州のリチウムイオン電池メーカーSEEOの買収を発表した。同社の買収によりリチウムイオン電池の開発力を強化する。
SEEOはリチウムイオン電池の全固体セルに関するノウハウを持つ。ボッシュは、全固体2次電池の実用化により、2020年までにリチウムイオン電池のエネルギー密度を2倍以上、コストは業界目標の半分以下からさらに引き下げることができると見込んでいる。